京都左京区一乗寺にある「野仏庵(のぼとけあん)」。石川丈山の手がけた庭園で有名な詩仙堂の近くにひっそりとあります。
南禅寺前から南禅寺にむかう途中の左側にある湯どうふ料理の老舗「順正」の創立者で茶人でもある上田堪庵(うえだたんあん)が設立したもの。元々は南禅寺の近くにあったそうです
その「野仏庵」でお抹茶がいただけます。
詩仙堂で帰ってしまう人が多い
野仏庵までは急な上り坂、途中にあるこの詩仙堂を訪ねてほとんどの人は帰ってしまいます。
詩仙堂からあと50歩ほど坂を登ると野仏庵があります。よし葺きの雰囲気のある門です。
明治の総理大臣でもある西園寺公望公にゆかりのある門だそうです。
訪ねたのは水曜日。野仏庵が開いているは、土曜・日曜・水曜のみです。
2匹の狛犬と思ったら、羊さんが出迎えてくれました。
受付は中にあるようです。細い道を歩いて奥に。
主屋の入り口で鐘をならすと、「は〜い」と奥から女性の方が出てこられました。
宿のような、隠れ茶屋のような、偉人の邸宅のような、少し不思議な雰囲気。
落ち着いた雰囲気でお抹茶を
野仏庵の拝観料は、500円。
お抹茶料は、拝観料に含まれています。
靴を脱いで中にあがると部屋が3つ程。
青い毛氈(もうせん)のある部屋から外に庭園が見えました。
室内は暗めで落ち着きのある空間。照明がとてもいい感じです。
庭は小さいながらも、手入れの行き届いた枯山水の庭園。
遠くには京都の町も見えて、野仏庵が高いところに建っていることがわかります。
座ってしばらくするとお抹茶とお茶菓子がでてきました。
抹茶は拝観料の中に含まれているので、お願いせずとも抹茶は用意していただけます。
お茶菓子は薄い甘いおせんべいです。
奥には、上田秋成公ゆかりの茶席。雨月席。
静寂の中に凝縮された庵
お抹茶と母屋の中を堪能して、外にでると目の前にはちょっと「日本むかし話」にでてきそうな味のある「よし葺き」の屋根が見えました。
階段をおりてみると中には石の仏様が。
野仏庵には、小さな石の仏様があって、野仏の由来となっているようです。
茶室もあり、竹林が生い茂っていて見どころ沢山。
瓦をつかった道も味があって素敵。
詩仙堂を訪ねたときは、もう少しだけ坂を登って「野仏庵」の静寂の中、お抹茶を楽しんではいかがでしょうか。
土曜・日曜・水曜のみ開庵なのでお忘れなく。
今日もお茶で素敵な一日を。
拝観時間 | 9:00~16:00 |
---|---|
休館日 | 水・土・日のみ開庵。ただし不定休のため事前に要確認。 |
拝観料 | 一般: 500円(お抹茶込み) |
お抹茶 | 拝観料に含む |
お寺のURL | http://nobotokean.tyanoyu.net/ |
住所 | 京都市左京区一乗寺葉山15-1 |
備考 | 古美術愛好家の上田堪庵(うえだたんあん)の別荘。庭内には5つの茶室有。 |