京都の左京区、南禅寺の入り口の近くにある無鄰菴(むりんあん)。
長州藩士、内閣総理大臣でもあった元老 山縣有朋の別荘です。当時のこの辺りの別荘の先駆け。
昭和になって京都市に譲渡され国の名勝に指定されています。「名勝」とは、国が定めた文化財で景観のいいところで価値の高いとされるところです。
その「無鄰菴(むりんあん)」でお抹茶をいただけます。
新緑の鮮やかな庭園が輝く夕日に暮れていく「本当の夕暮れ」と、その後ライトアップされたお庭を楽しめる、とても珍しいライトアップ企画。
アルコールもありの特設バーもオープン、国の名勝の日本庭園では滅多に味わえない大人のライトアップです。
開催日:2019年4月27日(土)・28日(日)・29日(月) ※予約不要
開催時間:18:30〜21:00(最終入場20:30) ※特別ガイド 19:00/19:45(各回15分)
料金:800円(ドリンク別)
南禅寺の方から南禅寺前の信号を渡って少し細い通りを進み、「朝がゆ」で知られる料亭 瓢亭(ひょうてい)本店の前の路地を右に入ると、無鄰菴の入り口があります。


門をくぐって受付で入場料と抹茶券を購入。
入場料は、410円
お抹茶券は別料金で、400円
中に入ってすぐに抹茶をいただくか、庭園をみてからにするか聞かれたので、庭園を先に観てからにします。
庭園へはこの小さい入り口から。

品がってコンパクトな母屋と庭園。
中に入ると庭園が見えてきます。

左には、大正時代の簡素でありながらとても品のある別荘といった空気を漂わせる2階建ての母屋が。母屋も庭も、無駄に広くなくコンパクトに造られている感じです。特に南禅寺を観たあとだったりすると、スケールの違いがありすぎておもしろい。
抹茶は、この母屋の1階で頂けます。

建物の横を通って庭園に。
芝を使った明るい庭園が広がります。山縣有朋は、「苔によっては面白くないから、私は断じて芝をうえる」といって芝を好んだそうです。


苔むす庭もきれい。
有朋は後に苔の美しさも認めて、庭園には50種類もの苔があるそうですよ。
大きな通りに面しているので庭園を散策していると、たまに観光バスの通る音が聞こえてしまいます。


庭園をひと周りして母屋に戻ってから、抹茶をお願いしました。


母屋の中からの庭園がすばらしい。
母屋にあがって驚いたのは、母屋からの庭の眺めです。
これはすばらしい〜。


母屋の隣には洋館があるのですが、日露戦争開戦の前、かの伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎、山縣有朋の四人で日本の外交を決める「無鄰菴会議」が開かれたとか。同じ庭を眺めていると想うと身が引き締まりますね。
お抹茶は青い毛氈(もうせん)の敷いてある主座席で。
母屋1階の東側の主座席がお抹茶を頂けるところ。青い毛氈が敷いてあって斬新です。抹茶の専用室ではないようですが、抹茶を頂く人しかあがれない空気なので静かに頂けそうです。
そして、ここからの景色がさらにすばらしい。建具とのコントラストがまた庭の緑を際立たせて美しいのです。

景色の美しさに引き込まれていると、抹茶とお茶菓子がでてきました。

お茶菓子は、丹波の黒豆をきな粉と砂糖でくるみ青海苔をまぶした京都上京区の和菓子屋「金谷正廣」の真盛豆(しんせいまめ)という京銘菓。抹茶がまぶしてあるのかともったら青海苔!
真盛豆は、豊臣秀吉が北野大茶会で食して「これは茶味に適す」と絶賛したとか。
きなこの風味と豆の香ばしさがよく、青のりが最後にかおっておいしいです。

ここから庭を眺めながら静かにお抹茶をいただいていると、明治時代の要人が今にも庭園から歩いてきそうで不思議な気持ちになります。
南禅寺とお豆腐を堪能したあとには、近代の別荘「無鄰菴(むりんあん)」で、お抹茶と庭園を楽しんではいかがでしょうか。

今日もお茶で素敵な一日を。
拝観時間 | 4月〜6月・9月・10月 8:30~18:00 /7月・8月 7:30~19:00 /11月 7:30~18:00 /12月〜3月 8:30~17:00 <※2019年4月1日より時間変更:4月~9月 9:00~18:00 /10月~3月 9:00-17:00 > |
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休館日 | 12月29日〜31日 |
拝観料 | 一般: 410円 |
お抹茶 | 400円 |
お寺のURL | http://murin-an.jp/ |
住所 | 京都市左京区南禅寺草川町31 |
備考 | 【庭園】池泉回遊式庭園。山県有朋の別荘。 |