『水だし茶』は、夏の緑茶の愉しみ方として知られるようになりました。
透明で明るいグリーンの水出し緑茶は、見ているだけでもとても涼しげですよね。
でも、水出し専用の茶葉が必要? とか、抽出に時間がかかるのでは? と思っている方も多いはず。『水だし茶』は、普段飲んでいる煎茶の茶葉さえあれば、とても簡単に作ることができるお茶です。
まだまだ夏はこれから、暑い日は朝から水出し茶を愉しんでみてはいかがでしょうか。『朝水出し茶』のメリットや効能をまとめてみました。
忙しい朝でも簡単
朝はおいしい煎茶を淹れて飲みたいけど、お湯を沸かして湯冷まししてと、ちょっと手間がかかります。
でも、水出し茶であれば、急須に茶葉をいれてお水を入れるだけ。これ、なにかと忙しい朝にやってみると、とても楽なんです。
もちろん、ペットボトルのお茶の手軽さには敵いません。でも、お茶にまつわるのことわざには、『朝飲むお茶は大切』という意味のことわざがたくさんあります。『朝茶は福が増す』もそのひとつ。
いい一日をスタートさせるためにも、朝飲むお茶は茶葉から淹れたものを頂きましょう。
・朝茶をはじめよう!朝飲むお茶(煎茶、緑茶)がカラダにいい理由とは。
色と香りで忙しい朝もリラックス
まず、愉しみたいのは水出し茶の水色。
透明で明るいグリーンの水色は、見ているだけで夏の朝を涼しげにしてくれます。
そして水出し茶の香り。
水出し茶って、新緑のような清々しさの中にも、なんともいえない雅な香りがします。
この水出し茶のアロマは、忙しない朝に、とても気持ちを落ち着かせてくれる香りです。
やさしい甘みと旨味でカラダにスイッチを
水色と香りと愉しんだ後は、水出し茶のやさしい甘みと旨味を味わいましょう。
シャッキと目を覚ますということでは、渋みのきかせた熱くて濃い煎茶はいいものです。でも暑い夏の朝、これから出かけるのに熱いお茶は飲みたくないな〜 と思うときもあります。
香りとともに口の中に広がる水出し茶の旨味と甘みは、やさしく、ゆっくりとカラダにスイッチを入れてくれます。
気分の重い朝にも、気持ちを少しポジティブにするきっかけとして役に立つはずです。
水出し茶はカフェインが少なめ
水出し茶は、お湯で淹れるより、カフェインが少なめです。
煎茶は好きだけど、カフェインの取り過ぎは気になる、という方に水出し茶はうれしい愉しみかたです。
熱中症が気になる夏は朝から水出し茶でたっぷり水分を補給したいものです。
どうしてカフェインが少ない?
苦みや渋みの成分となるカフェインやカテキンは、高温だと多く抽出され、水や冷水ではあまり抽出されません。このため、水出し茶はカフェインが少なく、苦みや渋みも少ないお茶になります。
また、旨味や甘みの成分であるテアニンや他のアミノ酸は、淹れるお湯の温度に関わらず抽出されます。
水出し茶が、苦みがなく甘みや旨味が愉しめるのは、甘みの成分が多く抽出されているということではなく、渋み苦み成分のカフェインやカテキンが少ないからというわけなんです。
エピガロカテキンで免疫機能も元気に
水出し茶には、カフェイン、カテキンがあまり抽出されないという話。
カフェインはいいけど、カラダに有用な成分としてよく取り上げられている『カテキン』まで少ないの? と思ってしまいますよね。
お茶のカテキンには、種類があって渋みの成分であるカテキンの抽出は少なくなりますが、別のカテキンもしっかり抽出されています。その名は『エピガロカテキン』。低温の水で淹れた時に多く抽出されるカテキンです。
『エピガロカテキン』には、免疫機能を高める働きがあるといわれいて、体力が落ちる夏にはとても助かるカテキンです。
もちろん、お湯で淹れたときに抽出されるカテキンにも動脈硬化対策などアンチエイジングにいいとされるカテキン『エピガロカテキンガレート』が抽出されるので、夏は温かいお茶も頂きましょう。
2煎目でもとてもおいしい
お湯で淹れた煎茶は、2煎目になると渋みや苦みが増します。安価な茶葉だと、2煎目で急に味が落ちることがあります。
もちろん茶葉にもよりますが、低温で淹れる水出し茶は、2煎目でも、1煎目とそれほど変わらない味が愉しめます。
また、お湯で淹れたあとの茶葉は、酸化が早まるので、2煎目はすぐに淹れないと味が落ちてしまいますが、水出し茶の場合は、酸化が進みが遅くなる分、少し時間をおいても(といっても何時間もほっておいてはだめですが)、おいしく頂けます。
『水出し茶(水出し緑茶)』の作り方
水出し茶の作り方は、とても簡単。
普段、煎茶を淹れるときより、少し茶葉を多めにして、お湯の代わりにお水を注ぐだけです。
<水出し茶の分量目安>
お水:300ml
茶葉:5g(茶さじ2〜3程度)
お水は、水道水をそのまま使うのはできれば避けましょう。
水出し茶の繊細な風味を愉しみたいので、少しこだわってください。ミネラルウォーターがあるならミネラルウォーター。浄水器があるなら浄水器のお水を使いましょう。
冷蔵庫で冷やしておいた冷水があれば理想ですが、冷えてなくても大丈夫です。急須に氷もいっしょに入れて冷やしながら抽出できます。
抽出時間は、5分程度。
3分でも抽出されますが、5分以上の方が、甘みも香りもしっかりしてきます。
一人なら茶こしで
一人分なら、わざわざ急須を用意しなくても、茶こしがあれば簡単に水出し茶を作ることができます。片付けも簡単、場所もとらないので便利です。
・一人分なら【茶こし】がラクです!急須の代わりに底深の茶こしで美味しい日本茶(お茶)を。
家族が多ければフィルターインボトルで
大家族なら、大きめのボトルを用意して、前日の夜に茶葉とお水をセットして冷蔵庫に入れておきましょう。
朝には、旨味と甘みがしっかり抽出された水出し茶ができてます。
茶こしフィルター付きの便利なボトルもあります。食卓においたらちょっとオシャレ。
・水出し緑茶はこれ!【HARIO(ハリオ)フィルターインボトル】
外出先なら茶こし付きマイボトルで
朝は、起きたら10分で家をでるから、お茶を飲んでいる時間はない! という人は、茶こし付きのマイボトルという便利なツールもあります。茶葉を水をセットして外出すれば、会社につくころにはおいしい水出し茶ができています。
茶葉がお茶に浸りぱなしにならないようにできるので、お茶が出過ぎることもなく、2煎目も愉しむことができます。
・超おすすめのマイボトル!Vitantonio「ツイスティー」使ってみた!
お子さんにも本物のお茶の味を
お茶といえば今、ペット茶が当たり前。最近のペット茶はとても美味しいものが増えているし、いつでもどこでも安価にお茶が飲めるのはとても有難いことです。でも、茶葉から淹れたお茶にしかない香りや味わいがあります。
お子さんにもぜひ、茶葉から淹れた水出し茶の香りや甘みを味合わせてあげてください。
もちろん、乳幼児は緑茶ではなく、麦茶などのカフェインの含まれないお茶にしましょう。小学生でもコップでガブガブ飲みたいときは麦茶がおすすめ。
・沢山ある!【ノンカフェイン(カフェインゼロ)】のお茶一覧2018年
手作り水出し茶で気をつけたいこと
昔から、お茶は生ものといいます。茶葉から作った水出し茶は日持ちがしないので、冷蔵庫に入れてその日中に飲むようにしましょう。
手軽でメリットの多い、水出し茶。
夏は朝から水出し茶を愉しんでみてはいかがでしょか。
今日もお茶で素敵な一日を。