『ぐり茶』とはどんなお茶でしょうか?
ぐり茶は、煎茶や玉露などの緑茶(日本茶)のひとつ。
正式名称は『蒸し製玉緑茶』といい、茶葉が匂玉(まがたま)のようにぐりぐりと丸まっているので『ぐり茶』と呼ばれています。
蒸し製玉緑茶は九州の佐賀、長崎、熊本や、静岡が主な生産地ですが、静岡(伊豆地方)で生産される蒸し製玉緑茶が『ぐり茶』と呼ばれています。
煎茶との違いはお茶(荒茶)の製造工程のちがいで、ぐり茶の製造には茶葉の形を整える精揉工程がありません。
煎茶は精揉工程で針のように細い形になりますが、ぐり茶にはこの精揉工程がないため、茶葉がぐりっと丸くなります。
<荒茶加工の工程>
生茶葉 > 蒸す > 粗揉 > 揉捻 > 中揉 > 精揉 > 乾燥 >『荒茶』
ぐり茶は、九州で明治時代の終わりからロシアへの輸出向けに作られたのが始まりです。
当時、ロシアでは釜で炒って作る中国の釜炒り茶が主流で、丸みのある茶葉や苦みの少ない味わいが親しまれていたため、その釜炒り茶に合わせて作られたのが『ぐり茶(蒸し製釜緑茶)』といわれています。
日本でも葉が丸い形状になる『釜炒り茶(釜炒り玉緑茶)』は生産されていますが、生産時の効率性などから蒸して作る『蒸し製玉緑茶』が現在では多く生産されています。
『ぐり茶』の味わい
渋みが少なく、まろやかな味わいが特徴といわれる『ぐり茶』。
伊豆で購入した『ぐり茶』を味わってみました。価格は100gで550円程度の商品です。
静岡の『ぐり茶』は深蒸し製なので、細かい茶葉が多く、その中にぐりっと丸まった茶葉が見えます。
お茶に付属していた入れ方で味わってみます。(茶葉:4g、お湯:80度、80cc)
香りは栗のようなとても甘みのある香り。
味わいは旨味と甘みがしっかりしていて、後味に控えめですが渋みもあります。
二煎目、三煎目になると、まろかやさが増して、味はあまり薄くならずにしっかりしている印象です。
美味しいお茶としても注目されている『蒸し製玉緑茶』
静岡では『ぐり茶』と呼ばれている『蒸し製玉緑茶』。煎茶などに比べると生産量も少ないため、飲む機会も少ないお茶ですが、今とても注目されている日本茶の一つなんです。
消費者が選ぶお茶の品評会『日本茶アワード2018年』では、『蒸し製玉緑茶』が大賞、準大賞に選ばれています。
日本茶アワード2018年の大賞、準大賞
<日本茶大賞受賞>蒸し製玉緑茶:有限会社茶友(長崎県)
<日本茶準大賞受賞>蒸し製玉緑茶:原田製茶(長崎県)
おいしいお茶として注目される蒸し製玉緑茶。
伊豆に行った時は、『ぐり茶(蒸し製玉緑茶)』を味わてみてはいがでしょうか。
今日もおいしいお茶で愉しい、一日を。