京都、寺町二条の「一保堂茶舖」京都本店。創業は1717年(享保2年)、特に穏やかな香りと上品な甘み、まろやかな味わいが特徴の「京銘茶」を取り扱う、300年の歴史をもつ老舗の日本茶専門店です。
抹茶、玉露、煎茶、ほうじ茶、玄米茶、それぞれに違う持ち味。それらを引き出すのに大切なのが、淹れ方。京都本店と丸の内店にある喫茶室「嘉木」では「淹れるところからご自分で。」を喫茶スタイルとした日本茶専門カフェです。
せっかくなので、家庭で普段あまり飲まない、玉露と、抹茶(濃茶)のをいただきます。
一保堂の玉露「天下一」
玉露は一保堂おすすめの「天下一」。
店員さんが、丁寧に淹れ方をレクチャーしてくれました。
急須に茶葉を大さじ2杯(10g)、かなり多いと思うくらいの量です。
熱湯を4つの茶碗に順番に移し替えます。移し替える毎に、約10度温度が下がるそうで、玉露の持ち味を引き出す温度の60度を目安で急須に注ぎ入れます。
待つこと1分20秒。急須をゆすらずにうまみがじっと溶け出すのを待ち、お茶碗にゆっくり注ぎます。
最後の一滴にはうまみが凝縮されていので、最後にゆすってしぼり出します。
直射日光をさえぎった畑で育てられる玉露は、他のお茶に比べ手間ひまをかけられて作られるため、価格も少し張りますが、甘みとうまみが特有です。うまみの深い昆布だしのような...。
2煎目からは茶葉が開いているため、待つ必要は無くしっかりしぼり切っていただきます。お湯の温度はやはり60度。2煎目、3煎目とそれぞれ味が異なり、甘みうまみからコクや渋みに移っていく感覚でしょうか。
一保堂の抹茶「雲門の昔」
抹茶「雲門の昔」(濃茶)はお店の方に点てて(練って)もらいました。
温かいうちに早速いただきましたが、滑らかでコクがあるのが特徴的です。
濃茶なので、とても鮮やかの緑色。まさに抹茶色で濃厚な粘りを持ってます。
抹茶は、玉露や煎茶と違い茶葉をそのまま口にすることになるため、その成分を余すこと無く取り入れることができます。飲んでいる時にその成分までは感じないですけど・・・。
適当な量を残して薄茶にしてもらいました。和菓子と合うんですよね~。
濃茶、薄茶両方が楽しめてよかったです。
一保堂のほうじ茶
最後に冷たいほうじ茶いただきました。普段飲み慣れているお茶ではありますが、あらためてスタッフの方に淹れ方をレクチャーしていただくと、格式高いお茶に感じます。
ほうじ茶も10g程度の茶葉を入れます。玉露や煎茶と比較して「かさ」が高いので同じ10gでも、随分多くに感じられます。
あとは、急須に熱湯を注ぎ入れて、待つこと30秒。茶葉が開きやすいため待ち時間も短いですが決してゆすりません。
熱湯を注いでるので、淹れたてはこうばしい香りが際立ちます。玉露、抹茶のあとでしたので、冷たくすることで清涼感を味わうことができました。なんだか、正直ほっとします。
玉露や抹茶は普段あまり口にしないですが、日本茶特有の甘みやうまみは茶葉の量、お湯温度、蒸らし時間で大きく味わいが変わってきます。
こうして京都の老舗茶舗でゆっくりいただくことが、味わい以上に日本の情緒や文化を感じ、日本茶の魅力を引き立ててくれますね。
今日もお茶で楽しい一日を。
一保堂茶舗 京都本店
京都市中京区寺町通二条上ル
TEL:075-211-3421
営業時間:午前9時から午後6時 休まず営業(正月を除く)
喫茶室嘉木 午前10時から午後6時(ラストオーダー:午後5時30分) 休まず営業(年末年始除く)
一保堂茶舗 東京丸の内店
東京都千代田区丸の内3-1-1 丸の内仲通り 国際ビル1階
TEL:03-6212-0202
営業時間:店頭、喫茶室「嘉木」11:00~19:00