抹茶のカップアイスの代表といえば、今やハーゲンダッツの「グリーンティー」。
濃厚なコクと抹茶としての渋みもあって、冬に暖かい部屋で食べるグリーンティーは格別。「ハーゲンダッツは幸せだけでできている」とはまさにだ。
スーパー、コンビニで気軽に手に入る抹茶のカップアイスの中で抹茶のアイスを食べたくなったときは、迷わずハーゲンダッツのグリーンティーを手に取っていた。
でも、本当のところはどうなのだろうか?
他の抹茶のカップアイスと比較してみることにした。
同価格帯の抹茶のカップアイスで乳固形分15%以上のアイスクリームをいくつか近くのスーパー、コンビをまわって探してみた。見つけたのは2つ。思ったより競合は少ない。ハーゲンダッツ グリーンティーと比較する抹茶のアイスは、この2つ。
・セブンプレミアム GOLD 金の抹茶アイス
・明治 GRAN(グラン) 抹茶
価格は金の抹茶が高い
3つの抹茶アイス、価格を比較すると高い順に、
・ハーゲンダッツ グリーンティー:294円(税込)
・セブンプレミアム GOLD 金の抹茶アイス:267円(税込)
・明治 GRAN(グラン) 抹茶:194円(税込)
実際スーパーでは「ハーゲンダッツ グリーンティー」も、「明治グラン 抹茶」もこの価格で売っていることは少ない。近くのスーパーでは、グリーンティーが税込み204円、グランは170円で売っていた。そう考えるとコンビニで「金の抹茶」をかった場合、一番高いのは金の抹茶アイスということになってしまうため、あくまでも目安だ。
原材料はグリーンティーがシンプル
次に、原材料を比べてみた。
ハーゲンダッツ グリーンティー
クリーム、脱脂濃縮乳、砂糖、卵黄、まっ茶、(原材料の一部に卵白を含む )
セブンプレミアム GOLD 金の抹茶アイス
クリーム、脱脂濃縮乳、砂糖、黒糖みつ、抹茶、乳化剤
明治 GRAN(グラン) 抹茶
乳製品、砂糖、抹茶ソース(植物油脂、抹茶)、卵黄、乳化剤、香料
グリーンティーは乳化剤さえも使っておらず、かなりシンプルな印象を受ける。金の抹茶は卵黄使わずに黒糖みつを使っているのが特徴的だ。グランには植物油脂や香料もつかわれているが、その分価格を下げているのかもしれない。
乳脂肪はグランが突出
アイスクリームに欠かせないミルクの濃厚さやコク。おいしさを感じさせる大切な要素だが、これはアイスに含まれる乳脂肪分の多さと関係している。無脂乳固形分も風味を感じさせるのに大切だ。3つの乳脂肪分、無形乳固形分を比較してみた。
ハーゲンダッツ グリーンティー
無脂乳固形分:9.0%
乳脂肪分:13.5%
卵脂肪分:0.8%
セブンプレミアム GOLD 金の抹茶アイス
無脂乳固形分:9.0%
乳脂肪分:13.5%
明治 GRAN(グラン) 抹茶
無脂乳固形分:12.0%
乳脂肪分:14.5%
植物性脂肪分:2.5%
卵黄脂肪分:0.7%
ハーゲンダッツと金の抹茶は、乳脂肪分も無脂乳固形分もまったく同じだ。ただグリーンティーには卵黄が使われているので、卵脂肪分も含まれている。一方、グランは乳脂肪分、無脂乳固形分とも3つの中では一番多い。さらに卵脂肪分、植物性脂肪分も含まれているので、成分だけをみればアイスクリームとしての濃厚さとコクがあるのは、グラン、グリーンティー、金の抹茶の順となるはずである。
ちなみに、無脂乳固形分とは、生乳に含まれるたんぱく質、糖質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素だ。普段私たちがお店で購入する牛乳には、無脂乳固形分は8.0%以上含まれていなければならない。
乳脂肪分は、生乳からとった脂肪。乳脂肪分18%以上になるとクリームになる。固めればバターになる。牛乳には乳脂肪分は3%以上含まれている必要があり、生クリームになるとかなり多くなる、タカナシの「純正クリーム」の場合、乳脂肪分は47%である。
気になるカロリーは
濃厚なアイスクリームは、食べ始めると止まらなくなる。とくに夜の1カップを最後まで食べてしまったとき、至福の後にやってくるのは後悔である。できればカロリーや脂質は少ないに越したことはないはず。
3つの抹茶アイスのカロリーと脂質を比較してみた。
ハーゲンダッツ グリーンティー
容量:110ml
カロリー:239kcall
脂質:14.8g
セブンプレミアム GOLD 金の抹茶アイス
容量:113ml
カロリー:235kcall
脂質:14.1g
明治 GRAN(グラン) 抹茶
容量:105ml
カロリー:232kcall
脂質:16.1g
若干グランの脂質が多いが、3つとも、カロリーも脂質もほぼ同じだ。夜1カップ食べてしまった後の後悔と、カラダへの影響はどれを選んでも同じ結果になるということである。
グランは抹茶マーブル
原材料や成分に差別化がされていたとしても、やはり食べた時の満足度がなければリピートはしない。3つの抹茶アイスの味を比較してみた。
カップのフタをあけてみると、それぞれに中ぶたがある。金の抹茶にはこのようなメッセージが記載されていた。
「毎日のちょっとした贅沢を気軽にお楽しみください」
自ら贅沢なアイスであることを再認識させるメッセージ、中味にかなりの自身がなければかけないメッセージだ。
見た目は、グリーンティーと金の抹茶も同じ、若干グリーンティーの緑が濃い程度。意外だったのはグラン。マーブル状になっていた。パッケージを見直していると確かにマーブル模様になっているが、シンプルに抹茶アイスをイメージしていた場合は、少し残念と感じてしまうかもしれない。
グリーンティーと金の抹茶はかなり似ている
食べてみた印象は、まず、グリーンティーと金の抹茶はかなり似ている。2つをその場で食べ比べても口に入れた時に感じる抹茶の風味、苦さ、コク、濃厚さはほぼ同じだった。口の中で溶けて消える時、グリーンティーの方はミルク感がでてくる。そのため、これによって抹茶の苦みが打ち消される分、金の抹茶の方が苦みがあるように感じた。
何度か味わっていると、グリーンティーはよりミルクの甘み、金の抹茶は黒糖の甘みを感じるが、これはその場で食べ比べてをしているからであって、それぞれ別々に何日か日をずらして食べた場合はほとんどその差は感じないかもしれない。
そして、グラン。成分を見る限り濃厚さとコクは、2つにかなり勝っていることが予想されたが、実際にたべてみるとそれほどではなかった。たしかにミルク感があるのだか植物性脂肪分があるからか、食べ進めている内にマーガリンのような軽い感じの脂っぽさが気になった。アイスクリームとしての骨太なコクや濃厚さは、グリーンティー、金の抹茶にくらべるとグランは物足りない感じである。
ただ、抹茶の苦さ、渋さは、食べているときに抹茶のマーブルになっている部分がくるとかなり感じた、これは3つの中で一番である。
また、マーブルになっていることで都度ミルクと抹茶の口に入る比率がかわり、味が単調にならないという点は飽きずに食べる工夫がされている。価格的に200円でおつりがくるのも魅力だ。
結局どれをリピートするのか
自分だったらどれをリピートするのかということになるが、まずアイスクリームに求めるリッチさという点で、グリーンティーと金の抹茶の2つを選ぶ。ただ、金の抹茶はネーミングからしてプレミアム感が強いため、普段食べているハーゲンダッツのグリーンティーを超えることを期待してしまった。それだけに食べた時の印象が同じだったことでグリーンティーを超えたという印象にはならなかった。
価格的に、グリーンティーが204円で手に入ることを考えると、一度食べたことで満足で60円多く払ってまで金の抹茶のリピートはしないかもしれない。
あなたなら、どの抹茶カップアイスをリピートしますか?
今日もお茶で楽しい一日を。
関連記事:ほうじ茶しっかり!ハーゲンダッツ新味【ほうじ茶ラテ】<期間限定>食べてみた。