お茶の商品名で目にするのは、掛川茶、狭山茶、八女茶、宇治茶。
これはどれも産地です。産地が選ぶ基準になっていたります。
それに比べ、お米の名称、こしひかり、ささにしき、あきたこまち、ゆめぴりか。
これはお米の品種。
いちごの名称、あまおう、とちおとめ、さがほのか。
これもいちごの品種。
品種が商品名になっていることが多く、あまり産地は意識しないで選びます。
では、お茶には品種はないのでしょうか?
煎茶の場合、商品名に「やぶきた」茶という名前がついているものをみたことありませんか?
この「やぶきた」がお茶の品種。
お茶の品種として農林水産省に登録されているものは、60品種以上あります。
でもその内の8割が「やぶきた」なんです。
栽培面積の多いお茶の品種。「やぶききた」が8割
・やぶきた 80%
・ゆたかみどり 5%
以下1〜2%
・おくみどり
・さえみどり
・さやまかおり
・かなやみどり
・あさつゆ
お店で売られているものは、ほぼ「やぶきた」品種ということです。
品種を商品名にしてしまうと、どれも「やぶきた」になってしまうので産地の名前を主にしているものが多いわけです。
「やぶきた」は、栽培しやすく加工に適していて、味や香りもいいのでこれだけ広まったわけですが、8割が「やぶきた」ということで課題もあります。それは、摘み取り時期が集中してしまったり、お茶の味や香りの差別化ができなくなってしまっていることです。
このため、「やぶきた」だけでなく、別の品種も一緒に栽培して摘み取り時期分散させたり新しい品種の開発をして差別化を図る試みが日々おこなわれています。
最近では、アントシアンなどの機能性成分が多く含まれる品種や、低カフェインの品種の開発も注目されています。
そのうちに、ペットボトルのお茶を買わなくても、ノンカフェインの煎茶を茶葉から自分でいれて飲めるようになるかもしれませんね。
次に煎茶を買う時は、産地ではなく「やぶきた」とはちがう品種で煎茶を選んでみるというのも、おもいろいお茶の選び方かもしれません。
今日もお茶で楽しい一日を。