【京都府産宇治抹茶】と【宇治抹茶】の表記のちがいは何?

誰もが知る抹茶のブランドといえば、やはり『宇治抹茶』。
お菓子やスイーツなどに『宇治抹茶使用』と表記されていると、それだけで特別な抹茶を使用しているように感じてしまいますよね。

製品の『宇治抹茶』の表記も多くなったので、以前ほど特別感はなくなりましたが、それでも『抹茶』といえば『宇治』、そのブランド力の強さは変わりません。

その『宇治抹茶』の表記に最近『京都府産宇治抹茶』という表記があるをご存知でしょうか?

コンビニ抹茶スイーツのパッケージ表示『京都府産宇治抹茶

抹茶アイスのパッケージ表示『京都府産宇治抹茶

そもそも『宇治』は京都府にあるもので、その宇治で生産された抹茶が『宇治抹茶』。
わざわざ『京都府産』という表示を加えなくてもいいのでは? と思ってしまいますよね。

京都府産宇治抹茶』と『宇治抹茶』の違いって、いったい何でしょうか?

京都府産以外でも『宇治茶』がある

宇治で生産される緑茶を『宇治茶』といい、代表的なものが玉露、煎茶、抹茶です。
『宇治抹茶』は、『宇治茶』の緑茶の一つです。

宇治茶』にはしっかりとした定義があり、その宇治茶の定義にはこのようなことが書かれています。

<宇治茶の定義>

宇治茶は、歴史・文化・地理・気象等総合的な見地に鑑み、宇治茶として、ともに発展してきた当該産地である京都・奈良・滋賀・三重の四府県産茶で、京都府内業者が府内で仕上加工したものである。
ただし、京都府産を優先するものとする。
(公益社団法人 京都府茶業会議所:HPより)

これは『公益社団法人 京都府茶業会議所』という明治17年設立の宇治茶の文化保存、新興、助成をおこなっている団体により定義されたもので、『宇治茶』や『宇治抹茶』は商標登録もされています。

『宇治抹茶』の商標登録にも同様のことが記載されています。

京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を京都府内業者が京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工した抹茶
(宇治抹茶の商標登録より)

公益社団法人 京都府茶業会議所:宇治茶について
http://www.ujicha.or.jp/%E5%AE%87%E6%B2%BB%E8%8C%B6%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

定義からすると、『宇治茶』には京都府産だけでなく、奈良県産、滋賀県産、三重県産もあるということになります。

奈良県、滋賀県、三重県の茶畑で栽培し摘み取り、荒茶まで加工されたお茶でも仕上げ加工を京都府の業者が京都府内でおこなえば『宇治茶』なんです。

『京都府産宇治抹茶』は京都府産のみだけど・・・

抹茶菓子などのパッケージにある
京都府産宇治抹茶』は、京都府産の茶葉のみを使用した抹茶。
宇治抹茶』には、奈良県、滋賀県、三重県産の茶葉が使用されている場合もある抹茶ということです。

京都府産宇治茶の主な産地
宇治市、城陽市、八幡市、京田辺市、木津川市、宇治田原町、和束町(わずかちょう)、南山城村

やはり宇治抹茶は京都府産がいい! というこだわりがある場合は、『京都府産宇治抹茶』の表記が商品を選ぶ目安になるわけです。

もちろん、京都府産ではないからといって抹茶の質が落ちるということではありませんし、使用されている抹茶そのもの質や比率などによって、抹茶の味わいは変わってきます。

京都府産宇治抹茶』と表記されていても、100%使用と表示されていなければ、宇治抹茶とちがう抹茶がブレンドされている場合もありますから・・・。

ブランド表記は目安の一つ、あまり表記に惑わされずに抹茶のスイーツを選びたいものです。
今度、スーパーにいったら抹茶菓子の『京都府産宇治抹茶』と『宇治抹茶』の表記をチェックしてみてはいかがでしょうか?

今日もおいしいお茶で愉しい、一日を。

スポンサーリンク