抹茶の『泡』
きめ細かいクリーミーな泡は、見た目はもちろんですが抹茶をよりおいしく感じさせてくれます。
抹茶の泡というと全面に覆われているものをイメージします。お寺でいただく抹茶も全面に泡があるものがほとんどですが、これは裏千家の点て方、表千家では泡のない部分が残るように点てるとか。
抹茶にはかかせない泡なのですが、そもそもどうしてこんなに泡がたつのかちょっと不思議だと思いませんか?
実は、お茶に含まれている『サポニン』という成分の働きなんです。
サポニンとは
『サポニン』は、大豆や小豆などの豆類や、ごぼうやオリーブ、ツバキなどの植物の葉や根に含まれている成分。強い苦み渋みがあります。自然の界面活性剤といわれ、泡立ちやすく、抗菌など作用もあるので石鹸などにも使用されています。
第7の栄養素として最近注目されている「ファイトケミカル」のひとつでもあります。
大豆のイソフラボン、ぶどうのアントシアニン、ゴマのセサミノール、そしてお茶の「カテキン」もファイトケミカルです。
また、サポニンには血糖値を抑制する働きがあることから糖尿病予防や、肥満予防、抗アレルギーなどにも有効な成分として、漢方薬に含まれていたり、サプリメントなども販売されています。
スーパーフードの大切な成分
サポニンは、緑茶の中では玉露、煎茶、抹茶に多く含まれています。
アイス抹茶は、ペットボトルを活用すると簡単につくることができますが、簡単にできるこの細かい泡もサポニンの働き。そしてこの泡にもサポニンというファイケミカルがたくさん含まれていることになります。
泡が大切な要素になっているお茶は、抹茶の他にも、米湯と番茶でつくる沖縄の「ぶくぶく茶」や、後発酵茶の富山「ばたばた茶」があります。
抹茶の泡を作る「サポニン」。
カテキンやビタミンの他にも、多くの大切な成分が含まれているお茶はやはりスーパーフードというわけですね。
抹茶の泡については、ちゃんと研究されている方がいて、論文も発表されているのでご興味のある方はチェックしてみては。
< 抹茶の泡立ち特性 >
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsssj1980/12/1/12_1_45/_article/-char/ja/