朝晩が少し寒くなってくると、温かいほうじ茶がより美味しく感じる季節。
ほうじ茶を淹れた時にふわっとかおる、香ばしいかおりはとても癒されます。
このなんともほっこりするほうじ茶のかおりには、『ピラジン』という香り成分が関係しています。
コーヒー、チョコレートにも『ピラジン』
ほうじ茶の香りの成分『ピラジン』は、アミノ酸と糖が高い温度で加熱されることで生成されます。
茶葉を焙煎して作るほうじ茶は、お茶に含まれているアミノ酸と糖が焙煎時に加熱されることで『ピラジン』が生成され、ほうじ茶ならではの香ばしいかおりになります。
実は『ピラジン』。ほうじ茶だけでなく、大麦、コーヒー、ローストしたナッツやココア、牛肉などにも含まれています。
麦茶を煮出したときの香ばしいかおりや、牛肉をこんがり焼いた時の食欲をそそる「美味しい」香りにも『ピラジン』の成分が含まれています。
『ピラジン』の働き
香り成分『ピラジン』には香ばしいかおりだけでなく、研究によると脳をリラックスさせる働きや、血流の流れを良くする血行促進の働きもあることがわかっています。
ほうじ茶を飲むと自然とほっこりした気分になるのは気のせいではなく、香り成分『ピラジン』の働きが関係していたわけです。
麦茶の香ばしい匂いが 血液を流れやすくすることを確認:カゴメ
https://www.kagome.co.jp/company/news/2001/010502_03.html
香料としても使用されている
リラックスや、血行促進の働きもある『ピラジン』ですが、いい香りだけに食品添加物の「香料」としても使用されています。
欧米では焼き菓子やキャンディー類などで香りの再現のために一般的に使用されている香料です。
日本でも新規指定香料として、日本香料工学会の食品添加物香料の一覧で確認することができます。
日本香料工業会
http://www.jffma-jp.org/profile/infomation/
最近、人気のほうじ茶、スイーツやアイス、ラテなどでもほうじ茶系の食品は人気。
濃厚なほうじ茶の香り〜 と思っていても、原材料に『香料』が使用されている場合は、『ピラジン』の香料を使用しているかもしれませんね・・・。
手軽に買えるほうじ茶スイーツも、ほうじ茶の香りを愉しむ方法のひとつですが、疲れた日や、ゆっくりリラックスしたい時は、やっぱり茶葉からじっくり淹れた『ほうじ茶』を愉しむのがオススメです。
今日も美味しいお茶で愉しい、一日を。