西尾茶の老舗「あいや」が、2年前にオープンした体験型のお店「あいや伝想茶屋」では、自分で茶臼を使って碾いた抹茶を、その場で点てて飲めるんです。
「ベーシックコース」と「プレミアムコース」を比較してみることに!
原料茶葉(碾茶)のランクの違いで「ベーシックコース」と「プレミアムコース」の2つのコースがあります。
ベーシックコースは、並クラスの茶葉【悠山】。
プレミアムコースは、「あいや」の最高峰品質で全国品評会受賞クラスの茶葉【華の峰】です。
それぞれ税込み価格が300円と1000円なんですが、300円で抹茶体験できるのはとってもうれしい!!ただ、2つのコースの値段は3倍以上の差、その差を実感したかったので、両方を試してみることにしました。
「プレミアムコース」は座布団付きで待遇もプレミアム!?。
店員さんに案内されて2階に上がると、窓際に石臼が5つ並んでおかれており、一番右のセットだけ石臼が黒のカーペットの上に置かれ、座る場所もゴザではなく座布団が用意されていました。
いかにもという設え!。案の定、「プレミアムさんはこちらに・・・」と、比較的空いていたこともありますが、つきっきりで説明もしてくれました。
茶臼は速くもなく、遅くもなく、リズムよく碾くのがコツ!!
店員さんがそれぞれの臼の上に原料茶葉(碾茶)をのせてくれてました。
【悠山】と【華の峰】では茶葉自体の色がすでに違い、プレミアムの【華の峰】のほうが色が濃いのですが、その写真が撮れなかったのが残念・・・。
「反時計回りで一秒に一周くらいのペースで、まわしてください。」と言われ、2、3周まわすとすぐに茶臼の脇から抹茶が出てきて、碾け(ひけ)ば碾くほど香りがたってくるのがわかります。
あまり回すのが速すぎると、抹茶が荒くなってしまうのと臼の摩擦熱で黒くなってしまうそうで、途中で止めないようにリズムよく回すのが香り高い抹茶を碾く(ひく)コツだそうです。
さすが! 碾きたての抹茶は色鮮やかな深緑!!
碾いた抹茶を刷毛でかき集め、お皿にうつすと緑色の濃さの違いも若干違いますが、どちらも碾きたての抹茶なので、色鮮やかなきれいな深緑色です。
(写真左がベーシックの【悠山】、右がプレミアムの【華の峰】)1杯分の抹茶の分量は1.5~2.0g程度が一般的で、【悠山】の分量がちょうどその程度。茶葉の量も違ったのか、プレミアムさんはちょっと多めで得しちゃいました・・・。(Lucky!)
西尾の抹茶を「地の作家」の「地の茶碗」でいただけるとは、最高じゃないですか!
プレミアムはお茶碗も特別で、地元【鶴城(つるしろ)焼窯元】の陶芸作家、内藤義山氏のお茶碗を使わせてもらうことができ、いくつかある作品の中から好みのものを選べます。地の抹茶を、地の土を使って、地の窯で焼いたお茶碗でいただけるなんて、すてきですよね~!!
ちなみに、鶴城焼の鶴城とは西尾城がそう呼ばれていたことから名前がついたそうで、初代の窯元が内藤義山氏で今も現役の陶芸作家さんです。時間があったら窯元もたずねたかったです・・・。
M字を描くように、手際よく点てます
いよいよ、自分で碾いた(ひいた)抹茶を点てます。
抹茶をお皿からお茶碗に移しますが、碾きたての抹茶であっても、一度茶こしを通すことでなめらかな美味しいお茶がたてられるそうです。
お湯を入れ、茶せんでMの字を描くように、手首をうまく使って手際よくたてます。最後に茶せんの先で表面をひっかくようにすると、クリーミーな細かい泡たちになります。点てている間にもすでに奥深い香りが・・・。
これは感動もの!!プレミアムの「華の峰」
プレミアムの【華の峰】はまず、風味が格別、深みがあり芳醇な香り。口当たりはサラッとして、さわやかなほろ苦さ・・・。簡単にいうと、濃いんだけど苦味は強くなく、口の中で広がって溶けるような感じです。
ベーシックの【悠山】と飲み比べたから余計に感じるのか、こんな抹茶は初めて飲みました。最高峰品質の碾茶を、碾きたてで飲むんですから間違いないはずと分かっていても感動もの・・・。
もちろん鶴城焼のお茶碗も一役かってますが、この感動は1000円でも安いんじゃないか!!っと思うほどです。西尾に行ったら、外せないお店の一つです。
100g(缶入り)の抹茶の販売価格
ベーシックコースの【悠山】 3,200円(税別)
プレミアムコースの【華の峰】 14,500円(税別)
あいや伝想茶屋
http://www.matcha.co.jp/densochaya/