『茶師』。
最近、お茶のCMでよく耳にする言葉です。伊右衛門の「福寿園」や、綾鷹の「上林春松本店」にも、茶師がいます。
『茶師』とはどんなことをしているのでしょうか。
お茶はお茶農家が栽培、摘み、荒茶に加工します。
「荒茶」は、摘んだ茶葉を蒸す、揉む、乾燥する工程。
1つの農家や、複数の農家で経営する荒茶工場で加工します。
栽培から仕上げ茶加工まで一貫しておこなう茶農家もありますが、加工された荒茶は、問屋に集められ品質のチェック、選別、火入れをして仕上げ茶になります。
選別の段階で、茎茶、粉茶などの「出物」がでます。
仕上げ茶の味は茶師が作り出す
そして、さらに仕上げ茶をブレンド「合組(ごうぐみ)」してお店に並ぶ商品(ブランド)になります。
荒茶の品質チェックから仕入れ、選別、火入れ、ブレンド「合組(ごうぐみ)」までを担うのが、「茶師」です。
荒茶の品質や味は、同じ茶畑、荒茶工場から仕入れされるお茶でも毎年同じではありません。栽培時の天候や荒茶の加工によって品質も味も変わります。
「茶師」は、毎年農家から持ち込まれる数多くの荒茶の特徴を見極め、その中から作る仕上げ茶に適した荒茶を選び、荒茶の旨味、甘みを最大限に引き出す「火入れ」を行います。
ブレンド「合組(ごうぐみ)」では、仕上げ茶のブレンドの仕方によって、それぞれ異なる特長のもつ商品を作り出します。茶師は自分の想いでブレンドするだけでなく、販売店が求める味や、昨年と同じに味にする「味の再現」も求めれているわけです。
お茶農家が心をこめて栽培、摘み取り、加工した荒茶を生かすも殺すも、茶師の「技」ひとつ。というわけですね。
お茶一杯。
茶師の想いに心を傾けて頂きたいものです。
今日もお茶で素敵な一日を。