ハンドドリップで淹れた日本茶を味わえるという『東京茶寮』(三軒茶屋)に行ってみました。
コーヒーの淹れ方としては一般的なハンドドリップ。
日本茶を急須ではなく、ハンドドリップで淹れるお店はこの「東京茶寮」が世界初とのこと。
いやいや、日本茶は急須でフタをしてじっくりと蒸らすからこそ、おいしくなるんでしょ! とハンドドリップで淹れる日本茶の味には少し懐疑的。
でも「東京茶寮」のホームページを見てみると、な、なんだ、この日本茶カフェは!
尖ってる・・・。突き抜けてる・・・。
サードウェーブ到来など、激しい競争の中で洗練されていく珈琲カフェに比べて、対当できていない日本茶カフェが多いなか、かなり驚き。
これは体験してみるしかない。
東京茶寮のWebサイトには、「予約受付」がありましたが「完全予約制」ではない様子。平日なので予約はせずに伺ってみることにしました。
三軒茶屋から歩いて8分程度
「東京茶寮」のお店は、三軒茶屋駅を下車して駒沢大学の方(南方面)に国道246に沿って歩きます。246を走るクルマの音が気になったので、道を一本左に入り住宅街の中を歩いたらとても静か。
7、8分程度歩くと、通りの向かいに「東京茶寮」がありました。
小さめな新築のマンションの1階です。
置き看板などもないので、知らなければ通り過ぎそうですね。
ワンメニューでお茶菓子付き
お店の平日の営業は13:00から。
入店したのは14:00ごろでしたが、すでにお客さんが4名ほど。
席は、カウンターが「コ」の字になっていて、3名づつ計9名が座れるようになっています。
席はこの9名分のみ。土日は混みそうです。
写真の印象より広さはコンパクトに感じましたが、白で統一された壁や天井、一枚板の白木のカウンターや足元の間接照明など、とても洗練されていてWebサイトで見た雰囲気通り。
席につくと、スタッフの方がメニューの説明をしてくれました。
スタッフの方は、とても柔らかい物腰で親切な感じです。
水のグラスと、お手拭きもデザインされている感じ。
メニューは、「ワンメニュー」とのこと。
煎茶とお茶菓子で、1,300円。シンプルです。
煎茶は7種類から2つを選び、お茶菓子は3種類から1つ選びます。
選んだ2種類の茶葉で、それぞれ1煎、2煎をハンドドリップ。
3煎目は、どちらか1つを玄米茶にしてくれます。
1,300円で、5煎のお茶とお茶菓子を楽しめるということになります。
茶葉は決めていないと悩むよ
煎茶の茶葉7種類は、産地、品種、蒸し・焙煎が異なる茶葉です。
【001】 はるもえぎ(鹿児島・中蒸し)
【002】 香駿(こうしゅん)(静岡・浅蒸し)
【003】 こいいしずく(静岡・深蒸し)
【004】 やぶきた やめ(福岡・中蒸し)
【005】 おくみどり(鹿児島・中蒸し)
【006】 香蘭(こうらん)(鹿児島・中蒸し)
【007】 宵の七曜星(よいのしちようせい)(静岡・浅蒸し)
お茶というと、宇治茶、知覧茶、狭山茶、掛川茶、伊勢茶・・・など、産地が商品名になっていることがほとんど。
お茶の品種でもある「やぶきた」、「おくみどり」あたりは知っていても、他は、聞いたこがないお茶ばかりですね。
メニューにある各茶葉の【甘味、旨味、苦み】の3段階評価と、【香りーー旨味】【甘味ーー渋み】のポジショニングマップを参考に、対局の味になりそうなものを選びました。
香り、甘味の強い【002 香駿(こうしゅん)】
旨味、渋みの強い【005 おくみどり】
お茶菓子は、この3種。
・ドライフルーツ寄せ
・ほうじ茶のブラマンジェ
・香るおはぎ
ドライフルーツ寄せにしてみました。
日本茶のハンドドリップショー
茶葉を選ぶと、選んだ茶葉のプレートがトレイに。プレートには、QRコードが付いていて茶葉や茶園のことがスマホで見ることができます。
そして、カウンターの中で、世界初!日本茶のハンドドリップがはじまりました。
これが「日本茶専用のドリッパー」。
お湯が注がれても、コーヒーのドリップのように下からお茶がでていません。
砂時計が置かれて、ドリッパーの中で茶葉を蒸らしている様子。
砂時計も素敵なデザインです。
スタッフの方がドリッパーを持ち上げると、一気にお茶が流れ落ちました。
お茶業界をざわつかせそうな勢いでじゃば〜っと。
受けのグラスが、ビーカー的なのもあって理科の実験のようでもあります。
ドリッパーを受ける木の中心が凸になって栓の役割をしてわけですね。
ドリッパーを持ち上げると隙間から流れ出る仕組みのようです。
ドリップした茶葉もみせてくれる
ドリップが終わると、これがあなたの茶葉ですよ。といった感じでドリッパーと茶葉が目の前に。
急須より「My茶葉」感があっていいかも!。
茶葉を香りは、青い清涼感のある香り。
とくに、「005のおくみどり」は、蒸したばかりの「よもぎ」のようないい香りです。
ドリップされた煎茶がでてきました。
湯のみも洗練されていますね。
ワイングラスのようなカーブをしていて、薄いカップです。
そして、お茶菓子が。
すべて揃って、なんだ、このワクワク感。
2つのお茶を同時に味わうことがあまりないためか、ちょっとしたテイスティングのようです。
1煎目は、ともに旨味がどかんときました。出汁のよう。
香りと甘味が強いはずの【香駿(こうしゅん)】の方が旨味を感じたぐらい。
ともに旨味の中に、甘味、渋みもしっかりと感じました。
ドライフルーツ寄せは、しっかりした酸味と軽い甘さでさっぱりした感じです。
2煎目は水色がくっきり。洋カップで味わう
1煎目が飲み終わるころに、2煎目をドリップしてくれます。
湯のみが、洋カップになりました。
ドリップ中に1煎目の残りを急いで飲みきってしまいましたが、違うカップなら慌てずに2煎目と比較すればよかったな〜といった感じ。
1煎目より、水色がはっきりとでていて、2つの違いがよくわかります。
味はともに渋みと苦みがかなり強くなりました。個人的には、2煎目を2杯飲みきるにはちょっと強すぎる感じです。
2つの味の違いはというと・・・。
はっきりと感じるには、まだまだ己の修行不足といった感じですね。
3煎目は玄米茶を味わう
3煎目は、【香駿(こうしゅん)】を選んで玄米茶にしてもらいました。
ドリップした玄米入りの茶葉が、目の前に置かれたときの香りがとてもすばらしい〜。
この茶葉を置かれた時の玄米の香りが強かっただけに、カップの玄米茶そのものの香りと味は薄く感じてしまいました。
5煎のお茶とお茶菓子で、所要時間は40分〜50分程度です。
気に入った茶葉を買って帰ることも
奥にあるレジの前には、持ち帰りができるように、7種の茶葉も販売されていました。
「004のやぶきた やめ」をお土産に。
ハンドドリップをじっくり観察するなら予約席
45分は「お茶のショー」を見ているようであっという間でしたが、ソファーでくつろぐカフェとちがって、姿勢を正して日本茶としっかりと向き合える感じがしました。
ワインや珈琲のエッセンスも入っていて、日本茶好きを超えて色々な人にリーチしそうな日本茶カフェです。
予約した場合の席はハンドドリップをする側に近いそうなので、ドリップをじっくり観察したい場合は予約した方が良さそう。平日でタイミングが良かったのですぐに入れましたが、土日はほぼ予約で埋まってしまうそうですよ。
世界初のハンドドリップの日本茶が楽しめる「東京茶寮」。
予約がとれる内にどうぞ!
今日もお茶で素敵な一日を。
東京茶寮
http://www.tokyosaryo.jp/
〒154-0011 東京都世田谷区上馬1丁目34−15