京都市右京区の嵐山にある天龍寺。足利尊氏が創建した臨済宗の禅寺で世界遺産にも登録されています。嵐山に行ったら外せない観光スポットです。
天龍寺には多くの塔頭寺院(小寺)がありますが、その塔頭の一つ『宝厳院(ほうごういん)』でお抹茶がいただけます。
天龍寺山門をくぐり参道をゆくと、天龍寺の景観の象徴「庫裏(くり)」という建物がみえます。入口には遠くからでも禅の象徴「達磨図」が見えます(写真ではみえませんけど・・・)。宝厳院(ほうごういん)は天龍寺の左のエリア(南側)にあります。
宝厳院は、大きな岩がある美しい庭園 「獅子吼(ししく)の庭」 で有名。嵐山を借景とした回遊式山水庭園ですが、拝観できるのは春と秋の限られた期間だけなんです。
宝厳院に訪れたのは5月。この時期は「春の特別拝観中」で「獅子吼(ししく)の庭」とふすま絵の「風河燦燦三三自在」が公開されていました。
【春の特別拝観:2017年3月18日(土)〜6月30日(金)】
宝厳院の山門で受付をします。素朴な茅葺きがいい感じ。
大人500円(小中学生300円)
山門への参道のモミジは「モミジトンネル」といわれていて、春は新緑がきれいですが秋には紅葉がとてもきれいな場所になります。
お抹茶代もいっしょに受付で支払って中に入ります。
お抹茶 500円
宝厳院は、室町時代に細川頼之(ほそかわ よりゆき)公が創建した寺院、創建時はこの場所にはなかったようですが何度かの移転を繰り返して今の場所に。庭園「獅子吼(ししく)の庭」は室町時代の禅僧の策彦周良(さくげんしゅうりょう)によって作られた庭です。
新緑に癒される庭園
庭園は新緑一色、気持ちのいい空気と静寂の中に聞こえる鳥のさえずりに心が洗われていく気持ちに。「獅子吼(ししく)の庭」の命名の由来でもある鳥のさえずり、風の音、水の流れが自然と心を癒す「無言の説法」がたしかに実感できます。
現世を表現した「苦海」という石畳はちょっと迫力。左奥の3つの石は釈迦三尊で苦海を渡り仏の説法を我れ先にと聞きにいく様子を表現しているとか。
静寂の茶席でお抹茶
石畳を見ながら先に進むと、お抹茶がいただける茶席があります。
茶席「青嶂軒(せいしょうけん)」です。
外からうかがう茶席は大正時代に建てられたもののようですが新緑に囲まれてとても居心地よさそうです。
茶席の門をくぐるとスタッフの方が出迎えてくれました。近くからみる茶席もやはり素敵。
お抹茶は外から縁側に腰掛けていただくこともできます。
せっかくなので座敷に上がっていただくことにしました。中からみえる新緑がすばらしく気持ちがいい。
赤い毛氈の上で新緑に癒されているとお抹茶とお菓子がでてきました。
お菓子はモミジの落雁。中には餡がはっていてしっかりした食感で食べ応えがあります。
きめ細かい泡のお抹茶もとてもおいしいです。このような気持ちのいい空間でいただくお抹茶はホント格別。
茶席を抜ける心地よい風を感じていると時がたつのも忘れそうですが、次のお客さんがきたのでお庭の散策を続けることに。
岩や苔も庭園のみどころ
宝厳院の庭は大きな岩も見どころ。パンフの写真にも取り上げられる「獅子岩」。岩が獅子の顔をしているのが命名の由来だそうですが・・・。
苔生す地面もきれいです。
新緑と枝や幹のコントラストが楽しめるのは春のこの季節ならでは。とてもエネルギーを感じます。
宝厳院に訪れたのは10時ごろだったので拝観客もほとんどいなくてとてもゆっくりできました。行くなら午前中の早めがおすすめそうですね。
天龍寺の塔頭『宝厳院(ほうごんいん)』。
心癒される庭園でお抹茶を堪能してみてはいかがでしょうか。一面、紅に染まる秋にも来てみたいものです。
拝観時間 | 春の特別拝観【3月18日~6月30日】 9:00~17:00 秋の特別拝観【10月1日~12月4日】 9:00~17:00 / 夜間17:30〜20:30 |
---|---|
休館日 | 通常非公開 |
拝観料 | 一般: (庭園)500円/夜間600円 (本堂特別公開)別途500円 |
お抹茶 | 500円 |
お寺のURL | http://www.hogonin.jp/ |
住所 | 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町36 |
備考 | 春と秋だけ一般公開の天龍寺の塔頭。 【庭園】獅子吼(ししく)の庭:回遊式山水庭園。ライトアップもあり、昼夜ともに美しい紅葉を堪能できる。 |