【冬至(とうじ)】季節の生菓子(和菓子)とお茶を愉しむ。<12/22〜1/5>

2021年の冬至(とうじ)の時期は、12月22日(木)〜2023年1月5日(木)

二十四節気(にじゅうしせっき)、冬季の節気、冬至(とうじ)
冬至とは、一年のうちで昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなる日のこと。北半球では太陽の位置が1年で最も低くなり、日照時間が最も短くなる日でもあります。暦の上ではちょうど冬の真ん中にあたる頃。

また、冬至は別名「一陽来復(いちようらいふく)」の日といわれています。
夏至以来、日照時間がだんだん短くなり、太陽の高度も一番低くなるので、冬至は太陽の力が最も弱まる日とされていました。と同時に、この日以降日照時間は徐々に長くなり、太陽の力がまた甦ってくることから、「一陽来復」といわれ、冬至を境に運が上昇すると考えられていました。悪いことばかり続いたあとでも幸運に向う日という意味も込められています。

運盛り(うんもり)とゆず湯

日本では、一陽来復の運が回復することを願って、「ん=運」が二つ重なる食材を食べる「運盛り(うんもり)」とよばれる縁起担ぎの風習があります。にんじん、れんこん、ぎんなん、きんかん・・・など。
「冬至にかぼちゃ」といわれるかぼちゃも、漢字で書くと南瓜(なんきん)。運盛りのひとつであり、緑黄色野菜の少ない冬にビタミンAやカロチンが豊富なかぼちゃは、風邪などの予防に効果的といえます。つまり、運盛りは縁起かつぎだけでなく、冬に栄養をとるための先人の知恵でもあるのです。土用の丑の日の「う」のつく食べもので暑さを乗り切るのと一緒の考え方ですね。

そして冬至といえば、”ゆず湯
もともとは一陽来復の運を呼びこむ前に厄払いするために体を清める禊(みそぎ)と考えられていたようです。また、柚子の強い香りのもとには邪気がおこらない説や、実るまでに長い年月がかかる柚子に習って、長年の苦労が実りますようにとの願いも込められている説、柚子=「融通」がきく、冬至=「湯治」という語呂合せで無病息災を祈る説、など様々な説も・・・。

でも実際、ゆず湯には冷え性を緩和し、体を温めて風邪の予防する働きや果皮に含まれるクエン酸やビタミンCによる美肌効果もあるので、風邪など引かずに健康に過ごすのに、理にかなった方法といえるのです。先人の知恵はやっぱりすごいです!

姫椿(ひめつばき):12月の和菓子

冬至の生菓子は、「七條甘春堂」さんの『姫椿(ひめつばき)』。
今回のお茶は、お煎茶

「姫椿」は薄紅色のとても可憐なお花。正式名称は”山茶花(さざんか)”で、”姫椿”は別称です。
同じツバキ科なのでさざんかと椿は良く似ていますが、見分け方のポイントは散り方。花びらがはらはらと散っていくのがさざんかで、花ごとポトッと落ちてしまうのが椿だそうです。

どうしても暗いトーンのお菓子が多くなってしまう冬枯れのこの時季に、可憐で清楚な美しさが表現される山茶花は、和菓子の世界でもとても重宝なんだそう・・・。

薄紅色の花びらに、雄しべの黄色そぼろが可愛らしい生菓子。花びらののういろうはモチっとやわらかく、中の白餡の上品な甘さと合間って、見た目と同じように優しい味わいです。
ういろう製白餡入り。

京菓匠 七條甘春堂は、京都三十三間堂近くにある、慶応元年(1865年)創業の老舗和菓子屋。
四季折々の京菓子を、伝統を壊すことなく創り続けながら、新しいスタイルの和菓子の発表や和菓子作りの体験、甘味処「且坐喫茶」の併設など、和菓子の魅力やいろいろな楽しみ方を提案しています。
http://www.7jyo-kansyundo.co.jp/

二十四節気(にじゅうしせっき)とは

二十四節気は、太陰暦の日付と季節を一致させる為に考案されたもの。1年を24等分にし、それぞれに季節を表す名前がつけられています。二十四節気の起点となる立春と、立夏、立秋、立冬の「四立」、夏至と冬至の「二至」、春分と秋分の「二分」を加えた「八節」は、現在でも季節の節目を示す言葉として使われています。

日本には、春夏秋冬と移り変わる四季がはっきりしています。
四季に合わせて、自然の美しい景色の移り変わり、そして行事や食もそれぞれの旬を楽しめます。
そして、お茶のお供の和菓子にも四季それぞれの和菓子があります。日本独特の二十四節気(にじゅうしせっき)に合わせて、その時期の生菓子を紹介します。
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これから迎えるクリスマスやお正月の愉しいイベントに向けて、しっかり風邪予防しなくては・・・。冬至の夜は先人の知恵を取り入れて、かぼちゃを食べ、ゆず湯に浸かってみるのもいいですね。
万全な健康状態で、素敵なクリスマスと年末をお過ごしください。

今日もお茶で愉しい、一日を。

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