本当の発酵茶はこれ!徳島の乳酸発酵 『阿波番茶』飲んでみた。

乳酸発酵茶って聞きなれないですよねー。
「乳酸菌」によって発酵されたお茶と言うことでしょうが、ピンときません。
発酵されたお茶といえば、紅茶が代表的。乳酸発酵の食品と言えば、ヨーグルトやぬか漬けやキムチ。「阿波番茶」はテレビでも話題になっていましたが、乳酸菌と聞くだけで身体に良さそうな感じです。

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そもそも「発酵」とはどういうこと?

一般に「発酵」というのは微生物の働きによって物質が変化し、人間に有益に作用することをいいます。ちなみに不益に作用することは腐敗といいます。
この微生物のことを「発酵菌」といい、乳酸菌もそのひとつですが、発酵菌の作用によって発酵の最中に香り・味・色・栄養価を作り出します。その成分が美味しかったり、健康にもよかったり、保存性も高めるため、古くから発酵食品を作って摂取してきました。
我々が知っている「乳酸発酵の食品」はまさにこれですよね。

<後発酵茶>だけが本当の発酵茶!?

お茶は発酵の度合いによって大きく4つに分類されています。
緑茶など全く発酵されていない「不発酵茶」、発酵を途中でやめた烏龍茶などの「半発酵茶」、完全発酵されている紅茶が「発酵茶」、乳酸菌など微生物によって発酵されたものが「後発酵茶」で、中国のプーアル茶や日本では高知の「碁石茶」、そして徳島の「阿波番茶」などがあります。これがまさしく乳酸発酵茶なのです。
では、烏龍茶や紅茶はどうな発酵なのか?

関連記事:本当の発酵茶はこれ!高知の乳酸発酵「碁石茶」飲んでみた。

お茶でいう発酵は「酸化」を意味するんです!

摘み取った茶葉には、ポリフェノールオキシダーゼと言われる「酸化酵素」が存在しています。その酵素にはポリフェノール(カテキン類)を酸化させる作用があり、茶葉は酸化すると茶色に変色していきます。これをお茶の世界では「発酵」、「酸化発酵」というそうです。本来の「発酵」とは意味が違って、ちょっと紛らわしいですよね。
バナナやリンゴの皮を剥いたまま放置しておくと次第に茶色になっていくのと同じ感覚です。つまり、摘んだお茶はそのまま放置しておくと勝手に酸化して茶色になると言う訳です。

酸化発酵をコントロールすることで香りを高めるのです!

放置しておいても勝手に酸化は進行しますが、無秩序な酸化反応ではよい香りにはならないため、酸化を抑制する必要があります。紅茶や烏龍茶の香りを引き出すためには、茶葉に含む水分量を減らし、酸化反応をゆっくりと秩序正しくコントロールし、理想の香りが発生した時点で高温で乾燥させて酸化を止めます。水分を取り除く萎凋(いちょう)工程は酸化発酵させる発酵工程よりも、お茶の香りを決定付ける重要な工程なのです。

幻のお茶と言われる「阿波番茶」は「漬物茶」

阿波番茶」は、徳島県(阿波)那賀郡那賀町、勝浦郡上勝町などで古くから伝わる伝統的な製法で作られる微生物の働きによる乳酸発酵茶(後発酵茶)で、「漬物茶」とも言われます。
普通お茶の原料は新葉や芯芽を使いますが、成長した古茶や枝ごと刈り込み、茶色に変わるまで釜でゆで、足を使って樽に漬け込み植物系の乳酸菌で発酵させます。漬物です・・・。10日~20日漬け込んだものをむしろの上で天日干し。乾燥して出来上がった茶葉は艶が出て黄金色に光るそうです。手間と時間のかかる製法で、人の感覚を頼りに作られているため後継者も減り、四国の山中で作られる貴重なお茶となっているのです。

カフェイン少なめ、さっぱり、すっきり

紀伊国屋で購入した小川生薬の「阿波番茶」はパッケージが金色でしたが、その理由も分かる気がします。少量ですので、貴重なお茶の割に以外と安価で購入できました。
内容量:22.5g(15袋)
販売価格;378円(税込)

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実際にティーバッグから茶葉をだしてみると、茶の葉の影も形も色もなく、お茶というより砂と木くづを混ぜた黄色い「お香」のようで、ただ香りはあまりないです。

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1袋が1.5gですが、どう見ても少なそうだったので、急須に2袋分を入れて、200mlの熱湯を注ぎ、約2分間蒸らしました。茶葉を入れて沸かしてもいいようです。

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水色はパッケージに似た、きれいな黄金色。同じ「後発酵茶」のプーアル茶とよく似た味で、酸味があると聞いていたが、それほど強い酸味はなく、お茶特有の渋味もあまりないです。
発酵によってカテキンが減り、カフェインも少なくなるので、カフェインが気になる人にはおススメです。

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未だ成分が解明されきれていない「後発酵茶」

国内には「阿波番茶」以外にも製法の異なる後発酵茶がいくつかあります。その成分の多くが明らかにされていない部分も多く健康食品素材として多いに期待されるお茶ではありますが、整腸作用や、花粉症や鼻炎などのアレルギーを抑える効能があるようです。

とても興味深いお茶ですよね・・・。

今日もお茶で素敵な一日を。

小川生薬
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幻のお茶!高知の乳酸発酵『碁石茶』飲んでみた。

2016年10月11日
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