香りと味を決める仕上げ!お茶(日本茶)の【火入れ】とは?

お茶(日本茶)の「火入れ」とはなんでしょうか。
最近では、ペットボトルの緑茶商品の説明にも「火入れ」という文字を目にすることがあります。伊右衛門では火入れを調整して四季で味を変えているとか。

火入れ」はお茶製造の仕上げ加工の工程の一つです。

お茶は茶畑で茶葉を摘んだ後に、蒸す、揉む、乾燥という工程を経て荒茶になります。荒茶加工です。その荒茶を整形・分別、火入れ、合組(ブレンド)をおこなうのが仕上げ加工です。

荒茶加工
茶葉を摘む→蒸す→揉む→乾燥

仕上げ加工
整形・分別→火入れ→合組

荒茶加工でできる荒茶は、茶葉の大きさなども不揃いで味や香りも荒削りです。仕上げ加工をおこなうことで、商品としてのおいしいお茶になります。

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「火入れ」はお茶をおいしくする大切な工程

仕上げ加工の一つである「火入れ」。

火入れは、簡単にいえばコーヒーの焙煎(ロースト)と同じです。茶葉を直火、熱風、遠赤外線、マイクロ波などの方法で加熱します。「火入れ」によってお茶に香ばしい香りをつけ、甘味を引き出し、茶葉の色に深みをだすことができます。また、しっかりと茶葉が乾燥するため品質を安定させる役割もあります。

火入れはお茶の味や香りを調整し、品質を保つ大切な工程ということです。

コーヒーは焙煎する時間や温度によって浅煎り・中煎り・深煎りなど呼ばれ、その香りや、苦味、酸味、甘味が変わります。お茶も同様で火入れの時間や温度によって香りや味が変わります。

火入れのタイミング

火入れには茶葉の整形・分別をする前におこなう「先火」。整形・分別をおこなった後におこなう「後火」というものがあります。

先火」は大量の茶葉に一度に火入れをおこなうことができますが、整形、分別がされ茶葉の大きさが整った状態で火入れをおこなう「後火」の方が、むらなく均一に火を入れやく品質も安定するといわれています。先火と後火の2回火入れをおこなう「前後火」もあります。

火入れの香り「火香」

火入れによってついた香りを「火香」といいます。

お茶屋さんの前を通りかかった時に、とても香ばしいお茶のいい香りがしたことはないでしょうか?これは、ほうじ茶を炒っているときの香りですが、この香りが、まさに「火香」です。

お茶には「新鮮香」や「若芽香」などのお茶本来の繊細な香りがあります。強火で火入れをおこなうと火香はつきますが、このお茶本来の香りが抜けてしまうというデメリットもあります。

ほうじ茶は強火で火入れをしている代表で、香ばしい火香を楽しむことができますが、新鮮なお茶の香りはほうじ茶にはありません。

高級煎茶は低い温度でじっくり

火入れは一般的に、新茶や上煎茶には弱火でじっくりと火入れをおこない、普通の煎茶や番茶は強火で火入れをおこないます。

弱火でじっくりと火入れをおこなうと、新茶や上煎茶にある新鮮なお茶の香りを失うことがなく、甘味を引き出すことができます。普通の煎茶や番茶、最近主流の深蒸し茶は香りが少ないので、強火で火入れをおこない「火香」をつけています。

茶師の技術が必要な火入れ

火入れは、お茶の種類で温度や時間を変えるだけでなく、季節やその日の温度、湿度によっても調整をしています。その仕方一つでお茶の香りや味を左右してしまう重要な工程のため、技術や経験をもった茶師がおこなうのが一般的です。

おいしいお茶を作り上げるために大切な「火入れ」。少し意識して日本茶の奥深さを味わいたいものですね。

今日もお茶で素敵な一日を。

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